ラーディックスの底

本と映画の感想、創作小説、ときどき絵

【ネタバレ注意】2022年6月までに見た映画の感想【後半】

前回のつづきです。

しっかりとした感想ではなく、ふわっとした感想です。

それでも良ければお付き合いください。

※ネタバレ有なので、ご注意ください

 

 

 

インタビュー・ウィズ・バンパイア

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 吸血鬼の小説を書きながら、この有名な作品を観ていませんでした。小説原作、18世紀末アメリカ・ニューオーリンズでライターの青年が、一人の男性にインタビューを試みる。ルイという名の男性は、200年生きたヴァンパイアだった――

 ブラッド・ピットトム・クルーズキルスティン・ダンストが出演していて、男性二人のほうに格好いいけれど、耽美なイメージがなかったので(それぞれトロイ、ミッションインポッシブル、スパイダーマンが初めて観た作品)どうなのかな、と思って見ていたら、すっごい耽美でした。

 薄暗くそれでいて美しい映像とストーリーで、ヴァンパイア映画のイメージまんまでした。ただエンディングで、ええっ!? となっていると、ガンズ・アンド・ローゼスが流れ始めて、耽美どこ行ったとびっくりしました。

 人間から吸血鬼になってしまったことで、血を吸わなければならないこと、年を取らないことの葛藤が描かれていて、そういう気持ちの変化が好きなので良かったです。

 

スーサイド・ツーリスト

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 原題がExit Plan(出口計画)投資の言葉みたいですが、日本題と内容を考えれば、「人生を終わらせる計画」のような意味合いでしょうか。

脳腫瘍で自分の余命が短いと知った男性は、謎の施設“ホテル・オーロラ”に向かうが……。人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のN・C=ワルドーが主演のサスペンス。

スーサイド・ツーリスト~囚われの旅行者~ | 映画 | WOWOWオンライン

 主人公が向かったホテル・オーロラは病気で余命が短い、人生に悲観した人の

最後を穏やかに終わらせる手伝いをしているホテルで、主人公の他にも、リストカットをしている青年、夫に先立たれて悲しみから逃れられない年配の女性(少しうろ覚えです、違ったらすみません)がいました。最後の日時、残された家族に送るビデオレター、どうやって終わらせるかなどを打つ合わせした後、一室を与えられ穏やかに過ごす主人公。ただホテル・オーロラはどこか怪しく――

 自らの手で人生を終わらせるという主軸で、結局はどんな終わり方でも納得はいかない、ということかな、と思いました。綺麗に終わっているのですが、疑問点が多く、そこが最後まで気になってしまいました。

 ホテル・オーロラが政府に見逃されている理由、やっぱり止めたいという人に説得を続けようとするのではなく銃で撃ってしまう等。

 後、主人公と奥さんがしょっちゅうキスしていて、海外すごいなと思いました。

 

天使のたまご

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 アマゾンプライムをぽけーと眺めている時に、もうすぐ見放題終了に並んでいて、雰囲気が気になって観た映画です。

 観ているうちにこの絵、FFの天野喜孝さんに似てるなと思ったら、オープニングクレジットに出てきて驚いていると、監督・押井守さんと出てきて更にびっくりしました。

 風船くらいの大きさの卵を持った少女が、廃墟のような街を歩き、ガラス瓶を集めている途中、変わった銃を持った少年と出会い――

 天野さんの絵のままの少女と少年、更に髪の毛の一本一本までも動いていて凄かったです。頽廃的な雰囲気と聖書関連であろうストーリーは好みでした。

 見終わった後、解説を見ようとウィキペディアを見たのですが、

一方で押井はこの作品を作ったことにより、「わけのわからない物を作る監督」というレッテルを貼られ、『機動警察パトレイバー』の企画が来るまでその後の仕事の依頼がさっぱりなくなってしまったという。

天使のたまご - Wikipedia

 と書いてあって、えっ!そんなに!? となってしまいました。

 美しい映像と少年・少女の組み合わせが好きな方にはおススメの作品です。

 ウィキを全部読んだのですが、当時の評価やインスピレーションの元などの話も興味深かったです。

 

アップグレード

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 面白いとあちこちで言われていた作品で、ゴールデンウィークあたりに観ました。

 近未来のお話で、自動運転の車が走り、ピザが3D印刷で出せるような未来。

 主人公は旧タイプの車の整備士、直した車を顧客である天才エンジニアの青年の家まで妻と一緒に届けに行く。その帰り道、自動運転の車の制御が狂い、事故にあってしまう。その上強盗のような男たちに襲われ、妻は殺され、主人公自身も首から下が動かなくなってしまう。

 犯人は見つからない。愛した妻もいない。絶望している主人公の元に顧客だった天才エンジニアが、開発した高性能AIチップSTEMを体に埋め込まないか、と提案してくる。結局了承し、体が動くようになった主人公は犯人を捜しはじめる――

 犯人の予想はついたのですが、ラストには驚かされました。皆面白いというわけだ、と納得しました。

 ラストはもちろん、いくつか印象に残ったシーンがあり、

 近未来なので主人公の家もハイテクで、SiriのようなAIがあらゆるサポートをしてくれるのですが、事故後そのAIが今日の予定を話しかけてくるシーンで、AIが亡くなられた奥さんの名前を呼ぶのが、より空しく感じられました。

 他にもAIチップを埋め込んだ後の主人公の動きが完全にロボットのようで印象的でした。

 アナログであること、ハイテクであることの良い面と悪い面が上手く描かれていて面白かったです。

 

以上です。

お付き合いいただきありがとうございました。