ラーディックスの底

本と映画の感想、創作小説、ときどき絵

書き下ろしの小説の二人のこと

その後書きのような、覚書のようなもの

 

 グレモリイのしていることは、人によってはとても無神経で独善的に感じられるものです。グレモリイはソフィアのことを良く見ていて、自分が感じる美しさをきっとソフィアも見つけることが出来る、似た感性を持っているだろうという偏った友愛を彼女に向け、信じているのです。

 本編では書いていませんが、グレモリイがメインの登場人物の中で、一番人から遠く、人の上位種であるという考え方を持っています。

 なので本当に無神経で独善的なのですが、ソフィアもまた彼女のことをよく分かっているので、彼女が心の底から美しいと思ってその行動をしていると理解し、そうは取らないのです。そして、グレモリイの姿からグレモリイの思っているのとは少し違った美しさを見出し、彼女の不器用な優しさの形にひとりで泣くのだと思います。